【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」1月に食べたい寿司だね(前編)

話題沸騰の連載コラム第15回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は早川光が12月に食べたい寿司だねBest4&3を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

連載第15回 1月に食べたい寿司だね前編

江戸前寿司には、その月に旬のピークを迎えるもの、あるいは漁期などの理由でその月にしか食べられないものなど、期間限定の寿司だねがあります。

述べ3.000軒の寿司を食べてきた早川光が、来月にどうしても食べたい、とっておきの寿司だねBest4を紹介します。

 

・第4位 サヨリ

 

第4位はサヨリ。これは昔から大好きな寿司だねです。半透明の身と銀皮のコントラストが美しいですし、さっぱりした味の中に深い旨みとほろ苦さがあって日本酒にも合います。特に冬は脂がのった濃い味の魚が多いので、サヨリの爽やかさとほろ苦さがありがたく感じられます。

サヨリは大きさによって呼び名が変わり、小さいものを『エンピツ』、体長30センチ以上の大きなサイズのものを『カンヌキ』と呼びます。カンヌキ(閂)とは門扉を閉じる時に使う横棒のことで、そのくらい太いという意味ですが、握りで食べるなら断然カンヌキの方が美味しい。サヨリに関しては大きくて太い方が脂ののりも旨みもあると思って間違いないです。

産地による味の差はほとんどありません。ただし鮮度が落ちると匂いが出てしまう魚なので、東京の寿司屋で食べるなら千葉の竹岡産がおすすめです。サヨリは春の季語で春が旬というイメージがありますが、本当に旨くなるのは晩秋から冬。カンヌキに限っては1月、2月がベストです。

水分が多い魚ということで酢締めにしたり昆布締めにしたりするのが伝統の仕事。でも鮮度のいいサヨリの場合、昆布締めにすると瑞々しさが損なわれてしまうので、細心の注意が必要となります。僕が一番いいのと思うのは軽くひと塩あてることで、それだけで旨みがぐっと引き立ちます。

 

・第3位 赤貝

 

第3位は赤貝。赤貝は寿司だねとしては歴史が古く、江戸前寿司の開祖とされる『両国輿兵衛鮨』の明治初期の寿司を描いた絵の中にも赤貝の握りがあります。今は幻になってしまいましたが、かつて東京湾は赤貝の漁場でした。昭和30年代の前半くらいまでは千葉の検見川あたりで上質な赤貝が獲れ、それが極上の味だったと、古い寿司職人から聞いたことがあります。

今の有名な産地は青森の陸奥湾、愛知の三河湾、香川の観音寺、山口の宇部といったところですが、飛び抜けて評価が高いのは宮城県閖上産で“日本一の赤貝”とも呼ばれています。閖上沖は名取川や阿武隈川から山のミネラルが流れ込む場所で、それが赤貝の栄養となるプランクトンを育むと言われています。

閖上の赤貝の特徴は何と言ってもその香り。とりわけ殻から剥いた瞬間の香りは他の産地のものとは明らかに違います。爽やかな潮風にフレッシュな果物の香りが加わったような感じ。この香りは数時間もすると失われてしまうので、できれば剥きたてを出してくれる寿司屋で食べたいところです。

閖上の漁期は例年9月から翌年6月末まで。でも本当に旨い時期は限られています。僕は年末年始の漁の休みが明けた1月中旬くらいが一番だと思います。冬の赤貝は身が厚く、色も鮮やか。見ただけで食欲が湧いてきます。

 

【次回に続く】 ※次回連載は12月15日を予定しています。

 

 

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