【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」12月に食べたい寿司だね(後編)

話題沸騰の連載コラム第14回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は早川光が12月に食べたい寿司だねBest1&2を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

連載第14回 12月に食べたい寿司だね(後編)

江戸前寿司には、その月に旬のピークを迎えるもの、あるいは漁期などの理由でその月にしか食べられないものなど、期間限定の寿司だねがあります。

述べ3.000軒の寿司を食べてきた早川光が、来月にどうしても食べたい、とっておきの寿司だねBest4を紹介します。

 

 

・第2位 カキ(マガキ)

 

第2位はカキ(マガキ)。江戸前寿司では歴史の浅いたねで、普通に握りに使うようになったのは20年くらい前からだと思います。生のままでは水分が多すぎるので、煮るか軽く火を通してから握るのが一般的です。

カキもサバと同様に、広島県の『かき小町』や三重県の『的矢がき』などブランドがたくさんあるのですが、評価が高いのは北海道のカキ。カキは低温で育つと成長のスピードが緩やかになり、旨み成分のグリコーゲンを多く体内に蓄積するので、気候的に北海道が最も生育に適していると考えられています。

その北海道の中でもトップクラスとされるのが、厚岸湾の端にある“仙鳳趾”のカキです。仙鳳趾は釧路湿原から川の水や地下水が流入する厚岸湾の端に位置していて、海だけでなく陸のミネラルも摂取して育つため甘みが強くクリーミー。初めて食べた人はきっと驚くと思います。

そして北海道にはもうひとつ、仙鳳趾よりさらに希少な凄いカキが存在しています。それは網走市藻琴湖の『至宝牡蠣』。僕は数年前に食べて本当にびっくりしました。クリーミーなのは一緒ですが、とにかく雑味がない。どんな牡蠣でもほんの少しは苦みやクセがあるものなのに、それが一切ない。とことんピュアな味なんです。

漁をする期間が11月下旬から12月までの3週間ほどしかなく、ほとんどが地元で消費されてしまうという“幻の中の幻”ですが、もしどこかの寿司屋で見つけたら、是非食べてほしい逸品です。

 

・第1位 ホンマグロ(クロマグロ)

 

第1位はホンマグロ(クロマグロ)。これはもう不動の1位です。ホンマグロは江戸前寿司の“顔”であり、江戸前の寿司屋の“看板”ですからね。

ホンマグロは回遊魚で、南西諸島のあたりから黒潮に乗って北上し、夏から秋にかけて津軽海峡に到達。そして産卵期を控えて太ったイカをたっぷり食べて美味しくなると言われます。なので青森県の大間、三廏、そして北海道の戸井といった漁港に揚がる“津軽海峡のホンマグロ”が最高級とされています。

津軽海峡では夏から漁が始まりますが、上質な脂がのった極上のホンマグロが揚がるのは11月、12月、1月の3ヶ月ほどだけ。例年1月下旬には海が荒れて漁ができなくなってしまうので、安定して食べられる時期は本当に短い。

そうした極上ホンマグロの中のさらにトップ、僕は“スペシャル”と呼んでますが、その“スペシャル”となると、これだけ寿司屋に通っていても年に数回くらいしか出会えません。僕の記憶ではスペシャルは“三廏のマグロ”に多いという印象です。獲れるのは同じ津軽海峡でも、三廏の漁師さんは“血抜き”“神経抜き”“冷やしこみ”といった手当てが徹底しているので、コンディションが抜群にいいんですよね。

スペシャルはまず食感が違う。しっとりして身の肌理が細かく、舌に吸いつくような感じです。そしてトロはもちろん赤身もコクがあって旨い。そのトロの甘みと赤身のコクが両方味わえる部位が“血合いギシ”と呼ばれる中トロです。香り高く、味はどこまでも深く、まさに痺れるような旨さ。僕は血合いギシでも筋を丁寧にはがした“はがし”が特に好き。これを食べるたびに「日本人に生まれて良かった」とつくづく思います。

 

【次回に続く】 ※次回連載は12月1日を予定しています。

 

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