【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」11月に食べたい寿司だね(後編)

話題沸騰の連載コラム第12回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は早川光が11月に食べたい寿司だねBest1&2を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

連載第12回 11月に食べたい寿司だね(後編)

江戸前寿司には、その月に旬のピークを迎えるもの、あるいは漁期などの理由でその月にしか食べられないものなど、期間限定の寿司だねがあります。

述べ3.000軒の寿司を食べてきた早川光が、来月にどうしても食べたい、とっておきの寿司だねBest4を紹介します。

 

・第2位 スミイカ

第2位はスミイカ。僕が最も好きなイカです。伝統的な江戸前寿司ではイカと言えばスミイカのこと。8月中旬から9月にかけて出回る胴長5センチほどのコイカ(スミイカの子供)は、夏の終わりの風物詩でもあります。

コイカは短期間のうちに成長し、12月には胴長15センチくらいの大人のスミイカになります。そして翌年2月から4月に産卵期を迎えますから、使える時期はけっこう短い。一般にスミイカの旬と言われているのは冬ですが、握りで食べるのなら成長途上の11月がベストではないかと思います。

スミイカの魅力は何といっても食感。身が厚くてもサクッと噛み切れる歯切れのよさですよね。それでも真冬だと少し固いことがあるのですが、11月のスミイカにはコイカの頃の柔らかさもわずかに残っているので、噛んだ時の心地よさは抜群です。

鹿児島県出水、瀬戸内海、三河湾と産地はいろいろありますが、肉厚で食感がよく、甘みも旨みも強く、寿司職人の間で“スミイカの中のスミイカ”と呼ばれているのは神奈川県小柴産。ただし獲れる数が少なく、市場ではかなりな高値で取り引きされています。近年、冬でもシロイカを使う寿司屋が多いのはそのへんに理由があるのかもしれません。

 

 

・第1位 鮭児

(※写真はイメージです。)

第1位は鮭児です。鮭児というのは例年10月下旬から11月中旬頃に北海道の知床半島から網走付近で獲れる未成熟のシロザケのこと。水揚げされた1万尾の中に僅か1、2尾と、圧倒的に数が少ないことから“幻のサケ”と呼ばれています。未成熟ゆえに産卵に栄養を取られることがなく、全身に脂がのっているのが特徴で、通常のシロザケの体脂肪率が2〜15%なのに対し、鮭児は20〜30%もあるのだとか。

「どんなに脂がのっていても結局はサケでしょ?」と思われるかもしれませんが、これが違うんです。とにかく脂が上品で甘い。マグロのトロよりさらに軽い感じで、舌に乗せるとふわっと融ける。サケ特有の臭みもまったくありません。脂の質だけなら、すべての魚の中で1、2を争うのではないでしょうか。

そして僕が鮭児の一番の魅力だと思うのは“シャリに馴染む”ということです。身が柔らかく、脂の融点が低く、すぐにシャリと混ざるので、噛むほどに甘みが際立ちます。この感覚は他の魚ではなかなか味わえない。それが鮭児を第1位にした理由です。

難点は希少すぎて使っている寿司屋が少ないことと、寄生虫の心配があるのでいったん冷凍してから食べる必要があること。最近は冷凍と解凍の技術が進歩していてほとんど味は変わらないとはいえ、生のままならもっと旨いのでは?と想像してしまいます。

 

 

【次回に続く】 ※次回連載は11月1日を予定しています。

 

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