【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」9月に食べたい寿司だね(後編)

題沸騰の連載コラム第8回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は早川光が9月に食べたい寿司だねBest1&2を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

 

・第2位 イクラ(生イクラ)

 

第2位はイクラです。僕はもともと東京の寿司屋のイクラをあまり評価してなくて、筋子をほぐして作る“生イクラ”でも醤油ベースの味つけをしたものは、東京の辛口のシャリとは合わないとさえ思っていました。

そんな考えが変わったのは14年ほど前、浅草『鮨久いち』のイクラを食べたことがきっかけ。ここのイクラは粒のひとつひとつがはっきりしていて、皮に歯が当たるとパンッと弾ける。味つけも醤油を控えめにしているのでシャリにぴったり合う。それまで食べたものとは別次元の美味しさでした。以来、イクラの季節を心待ちにするようになりました。

イクラは例年8月下旬から寿司屋に登場しますが、出始めはまだ粒が小さく、弾けるような食感もありません。11月になると皮が固くなるので、ベストと言えるのは9月の中旬から1ヶ月くらい。実はかなり旬の短い寿司だねです。

最近はシャリに合うイクラを出す店も珍しくなくなりましたが、それでも『鮨久いち』が僕の不動のナンバーワン。『鮨久いち』のイクラはコクがあって、口の中でシャリと混ざると旨みがぐいっと立ってくる。そして海苔との相性も抜群。最近はイクラを小さな丼にして出す店が多いのですが、旬のイクラは軍艦巻にしてこそ本領を発揮するのではないでしょうか。

 

・第1位 カツオ(戻りガツオ)

 

第1位はカツオ。いわゆる“戻りガツオ”です。カツオは南の海で育ち、一定の大きさになると黒潮に乗って北上します。その北上途中のカツオを“初ガツオ”と呼び、三陸沖まで北上して脂肪を貯えてから南下したものを“戻りガツオ”と呼びます。初物が好きな江戸っ子は初ガツオを珍重しますが、脂がのって旨いのは戻りガツオの方ですよね。

気仙沼、石巻、小名浜、銚子と戻りガツオの揚がる漁港はたくさんあるけれど、東京の寿司屋で食べるなら千葉県勝浦の“引き縄漁”のカツオをお薦めします。引き縄漁は比較的小さい船で行うので、獲ってすぐ港に戻るため抜群に鮮度がいいからです。

鮮度はカツオの命。鮮度が落ちると色変わりするし臭みも出る。味も食感も悪くなります。なので僕は寿司職人に産地より先に漁法を確認します。

戻りガツオは脂の甘み、赤身の酸味とコク、そして鼻に抜ける香りが魅力。なのでなるべく厚く切って、口いっぱいにして食べた方が旨い。近頃は表面を藁の火で炙る“藁焼き”にして出す店が多いのですが、僕は新鮮なカツオの香りを楽しみたいので、炙らないカツオの方が好きです。もっと言えばショウガやネギといった薬味も必要ない。煮切りだけ塗ってドン!と出してくれたら、それが一番なんじゃないかと思います。

9月は津軽海峡のマグロも出てくるけれど、まだまだ脂がのりきっていない。だから「9月の寿司屋の主役は?」と聞かれたら、僕は「戻りガツオ」と答えます。

 

 

【次回からは10月に食べたい寿司です】 ※次回掲載は9月1日を予定しています。

 

 

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