【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」9月に食べたい寿司だね(前編)

話題沸騰の連載コラム第7回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は早川光が9月に食べたい寿司だねBest4&3を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

連載第7回 9月に食べたい寿司だね

江戸前寿司には、その月に旬のピークを迎えるもの、あるいは漁期などの理由でその月にしか食べられないものなど、期間限定の寿司だねがあります。

述べ3.000軒の寿司を食べてきた早川光が、来月にどうしても食べたい、とっておきの寿司だねBest4を前&後編で紹介します。

 

・第4位 カマス

 

第4位はカマスです。カマスといえば初秋を代表する美味のひとつですが、焼き魚、特に干物を焼くというイメージが強く、寿司として食べたことがある人は少ないかもしれません。

カマスは身に水分が多い魚として知られています。同じ時期に旬を迎える魚でも、サンマの水分量が60%程度なのに対しカマスは70%以上もあります。干物にするのは、脱水した方が美味しくなるからなんです。

そんなわけで、カマスにひと塩して水分を抜く、火で炙るといった手間を加えて握りに使う寿司職人が増えてきました。カマスは水分を抜くことで旨みが立つのはもちろん、脂の甘みも出てきます。炙ることでさらに皮まで美味しくなります。

産地として有名なのは九州の長崎や豊後水道、石川県の七尾あたりですが、鮮度が重要な魚なので、どこで獲れたかよりも“いつ獲れたか”がポイントになります。鮮度の悪いカマスは身が弛んでしまうので塩をしても握りには使えません。そういう意味ではかなりデリケートな寿司だねと言えます。

それだけに上手に水分を抜いて皮をパリパリに炙ったカマスの旨さはもう、たまりません。これは長い歴史の中でずっと魚をタンパク源にしてきた日本人のDNAに刻まれた味ですよね。僕はその香りを嗅いだだけでお腹がぐう〜っと鳴ります。カマスは香りもまたご馳走です。

 

・第3位 ヒラメ(ソゲ)

 

第3位はヒラメ。これは意外に思う人もいるのではないかと思います。ヒラメと言えば冬が旬の魚。とりわけ厳冬期の“寒ビラメ”が一番というのが常識ですからね。

そして僕が好きなのが“ソゲ”だと聞いたらもっと驚かれるかもしれません。ソゲというのは1キロ以下の小さいサイズのヒラメの呼称。ヒラメは基本的に大きい方が旨いとされていて、2キロ以上じゃないと使わないという店もあるほど。

それでも僕が「9月のヒラメが旨い」と主張するのは、この時期にしか食べられない逸品があるからです。それは北海道利尻島で獲れる“ソゲ”。

もちろんソゲなので魚体は小さいのですが、身が厚く、しっかり脂がのっています。そして旨みが強い。利尻島は9月でも海水温が低く、餌になる青魚が豊富なのがその理由だと思います。そして僕が際立った特徴だと思うのは“食感”。大きなヒラメの場合、身の弾力が強く数日寝かしてから使うことが多いのですが、利尻島のソゲは身がシャキッとしているので寝かさなくても握りに合います。もっと言えば、寝かさない方が旨いんじゃないかと思うくらい。

例年9月に東京の市場に入って11月には大きくなってソゲではなくなってしまうため、ベストの時期はすごく短い。なので寿司屋で見つけたら迷わず食べてみて下さい。寒ビラメとは違うみずみずしい味わいに、きっと驚かれることと思います。

 

次回に続く】 ※次回連載は8月15日を予定しています。

寿司動画

㐂寿司