NEW 連載第41回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

 

夏は美味しく水分補給

 

色々と気をつけながらも、お出かけすることも多くなり、お店に入る機会も増えました。自粛期間中に閉まっていたお店が再開をしているのを見ると少しホッとします。

 

これを機に思い切った方向転換をしているお店も目立ちます。たとえば大手牛丼チェーンの「松屋」は今夏「鰻(うなぎ)バーガー」の発売をスタートしました。お値段はなんと6千円!

 

高級寿司店の照寿司(福岡県)と共同開発していることを考えると、そして「うなぎ」だということを考えると、6千円はそれほど高くはありません。でも「あの牛丼の松屋」だということで「6千円」と聞いたとき、最初は驚きました。でも「鰻(うなぎ)バーガー」は重量が340グラムあり、8切れ入っているのでボリュームありますね。

 

コロナで飲食業界全体が厳しい状況に置かれているなかで、「平均客単価が3万円を超える高級寿司店」 & 「庶民的なチェーン店」がコラボするという発想が面白いです。「鰻(うなぎ)バーガー」は現在松屋フードコート楽天市場店と牛めし松屋PayPayモール店で限定販売しています(7月31日現在)。海苔とかば焼きのタレがたっぷり染み込んだ酢飯を鰻(うなぎ)で包み込んでいるこのバーガーで猛暑も乗り切れそうですね。

 

夏の定番!ロシアの冷製スープ「オクローシカ」

 

ところで、日本だと「スープを飲む」と言いますが、筆者の母国であるドイツや夫が出身のロシアでは「スープを食べる」と言います。理由については諸説ありますが、ロシアに関していえば「スープはメインディッシュ」だったりするので「そりゃ『飲む』ではなくて『食べる』が自然でしょ!」なんて思います。

 

ロシアの昔ながらのランチでは最初にスープが出ますが、このスープは前菜であると同時にメインディッシュの扱いです。したがってスープは単品で出てきて、量もかなり多いです。スープはボルシチだったり、野菜や肉が入っているものもあれば、サーモンなどの魚が入ったスープもあります。

 

有名なのはチョウザメが入ったスープです。スープなのに非常に食べごたえがあります。チョウザメ自体は淡白な味なのですが、スープはニンニクなどを入れて濃くしています。鶏がらベースで「ラーメンの味のようなスープ」もあるのだとか。

 

ロシアのチョウザメは日本でいえば「鰻(うなぎ)」のような高級品ですが、日本の鰻(うなぎ)とは違い、夏にメインに食べるというわけではないそう。では、ロシアで夏に何をよく食べるのかというと・・・「オクローシカ」という冷製スープです。

 

「オクローシカ」にはキュウリやディール、ハーブや香草が入っていて、味は酸っぱく、塩分は控えめです。

 

この「オクローシカ」をロシア人は夏によくランチで食べますが、家の中では「おやつ」代わりに出てくることもあるのだとか。

 

ところで若い世代はそうでもないようですが、ロシアの年配の人は「スープがないと食事とはいえない」というこだわりが強く、「食事はまずスープから」が基本なのだそうです。そのため「スハミャトカ」という言葉まであり、これは「汁気も温かい料理もない食事のこと」という意味です。つまりは「水分(スープ)のない食事」は「スハミャトカ」であり、昔のロシア人のあいだでは「みすぼらしい」「不健康」だとされていました。

 

ちなみに筆者の夫は父親が日本人(既に亡くなっています)で母親がロシア人ですが、昔よく「スープがらみ」で夫婦ケンカをしていたそうです。ロシア人の母親曰く「日本の味噌汁は小さすぎて、不十分、あれはスープとは言えない。スープは『添えられるもの』ではなく、メインで出てこないとダメ!」とのこと。逆に日本人である父親は「先にスープだけをメインで平らげてしまったら、その後のパスタや肉を『汁なし』で食べることになってしまい、それこそ『スハミャトカ』(水分のない食事)ではないか!」と言い返していたとのことです(笑)

 

水分補給にぴったり!ドイツの夏のデザート

 

それでは筆者の母国ドイツの夏の食べ物といえば・・・「ベリー」です(笑)

 

そしてベリーを使ったRote Grütze(ローテ グリュッツェ)というのがまさに「旬」のデザートです。ベリーを水と砂糖、好みによってはアロニアジュースも加えて煮詰めてから、煮汁ごとコーンスターチで固めて5時間ほど冷やして固めます。ベリーの酸味が比較的強いため、生クリームなどと一緒に食べますが、やっぱり夏は「アイス」にかけて食べるのが美味しいです。バニラ味のアイスがこのRote Grützeにとてもよく合うのです。

 

 

Rote Grützeを「ソース」としてバニラアイスにかけ、アイスの上にはミントを添えればバッチリ。

 

ベリーの酸味、バニラ、ミントが本当によくマッチしているのです。

 

ちなみにアイスクリームのバニラの量を少なくすれば、Rote Grützeじたいは低脂肪&低カロリーですので、そういう意味でも嬉しい一品です。Rote Grützeはコンポート(果物を水や砂糖で煮て作るヨーロッパの果物の保存方法)なので、水分タップリなのも夏は嬉しいですね。

 

今年の夏は水分をたっぷりとりながら、そして鰻(うなぎ)で体力をつけながら乗り越えたいと思います。

 

 

次回は8月中旬更新予定です。

 

 

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サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住22年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/ 著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「満員電車は観光地!?」(流水りんことの共著 / KKベストセラーズ)、「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)など。

ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/

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