【大好評☆連載コラム】早川光の「お楽しみは、来月!!」

話題沸騰の連載コラム第3回!

寿司マスター☆早川光の「お楽しみは、来月!!」。

ホンモノの寿司通は、いったいどんな寿司だねを楽しみにして日々過ごしているのか?

今回は7早川光が7月に食べたい寿司だねBest4&3を発表しちゃいます。

来月が来るのが待ち遠しいね~!

連載第3回 7月に食べたい寿司だね

江戸前寿司には、その月に旬のピークを迎えるもの、あるいは漁期などの理由でその月にしか食べられないものなど、期間限定の寿司だねがあります。

述べ3.000軒の寿司を食べてきた早川光が、来月にどうしても食べたい、とっておきの寿司だねBest4を紹介します。

 

・第4位 シンコ

 

第4位はシンコ。シンコ(新子)とはコハダの幼魚のこと。初物好きの江戸っ子たちに愛されてきた人気の寿司だねで、かつてはお盆の頃だけの限定商品だったため“江戸前寿司の夏の風物詩”とも言われています。

流通が進歩した今は6月から登場します。ただし出始めのシンコは体長が3センチほどしかなく、1カンの寿司に8尾分を使う“8枚づけ”で握ったりします。これを珍重する人もいますが、さすがにこのサイズでは味がほとんどしません。

僕が食べて旨いと思うのは4枚づけ以上のサイズ。一番旨いのは2枚づけです。この大きさになるとシンコならでは口どけの良さに加え、コハダらしい旨みも十分に楽しめるからです。そしてこの2枚づけが味わえるのは例年7月中旬から下旬にかけての限られた期間なのです。

産地としては静岡県舞阪がベスト。水揚げされるのが舞阪漁港なので舞阪産とされていますが、実際に漁が行われるのは浜名湖。浜名湖は遠州灘に通じる汽水湖で海水と淡水の栄養素が集まるため、ここで獲れるシンコは身がふっくらとして柔らかいのが特徴。だから2枚づけの大きさでも噛めば淡雪のようにとけてなくなり、旨みとほのかな苦み、そして爽やかな潮の香りが後に残ります。

そしてシンコにとって産地以上に重要なのが仕込みの技。わずか4、5センチしかない幼魚を一尾一尾包丁で捌き、振り塩をして、酢じめにするわけですから、シンコは寿司職人の技術のバロメーター。なのでシンコを食べる時は、腕のいい職人の店を選んで行くことをおすすめします。

・第3位 シマアジ

 

第3位はシマアジ。これは大好きな魚です。何より夏の魚なのに脂がのっているというのがいいですよね。7月はマグロの大トロさえさっぱりして物足りないので、シマアジの脂がすごくありがたく感じられます。

シマアジはその名の通りアジ科の魚ですが、アジ(マアジ)とは脂の質がかなり違います。いわゆる青魚のクセがなく、爽やかで後味がいいのが特徴です。ただしこれは天然物だけで、養殖のシマアジには独特の匂いがあります。天然のシマアジは小魚だけではなくイカも食べることで上質な脂を蓄えます。だから旬のシマアジには真冬の津軽海峡のマグロにも似た、うっとりするような脂の甘みがあります。

産地は伊豆七島、中でも神津島の一本釣りのシマアジは味も香りも最高です。他の産地にはクセの強いものがあって、これは漁をする時に撒くコマセ(寄せ餌)が原因なのではないかと思います。大きさは2キロ前後が旨く、3キロを超えるものは脂がしつこくなります。なので僕は寿司屋で「これは何キロ?」と必ず尋ねます。プロの間では腹の部分が硬いシマアジが旨いと言われているので「腹はカチカチ?」と聞いたりもします。

シマアジは弾力のある歯応えも魅力のひとつ。鮮度のいいものは歯切れがよく、厚めに切りつけても握りに馴染みます。最近は“熟成”が流行っているからか、新鮮なシマアジを数日、中には一週間も寝かせてから握る寿司職人がいるのですが、僕はシマアジに関しては長く寝かすと心地よい食感が損なわれ、価値が半減すると思っています。

 

 

【次回に続く】 ※次回連載は6月15日を予定しています。

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