連載第39回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

 

 

変わっていく外食文化 キーワードは「新鮮な空気」と「テイクアウト」

 

東京でも緊急事態宣言が解除されました。ヤッホー!という気分です。

 

といいつつも、これからも気を緩めることなく、気をつけるところは気をつけなければいけません。今すぐ「コロナ前の時代」と同じスタイルで、というわけにはいきません。

 

先日、まだ緊急事態宣言が解除されていない時に、都内で不要不急ではない用事があり、その後、お天気もよかったので、人気のない明治通りを恵比寿方面に歩いてみました。そうしたら、道沿いに「窓やドアを全開にしている」飲み屋さんがありました。カウンターは「コ」の字になっていて、二名のお客さんが互いに2メートルぐらいの距離をあけながら座り、お店の人も客とはかなり離れたところに立っていました。でも、この3人、ほんとうに嬉しそうな表情をしていて、

私は思わず立ち止まってしまったのでした。そう、今まで「外食」というと「大勢でワイワイガヤガヤ」が自分の中のスタンダードでしたが、これからは先ほどの空間のような「大人の時間を静かに楽しむ」のが主流になるのかもしれない…なんて思いました。

 

それにしても、換気の大事さが謳われているなか、「1階にあるお店」というのはやっぱり強いです。窓やドアを全開にしたり、場合によっては一時的に取り外すことだってできるわけですから。

 

実はこの「換気ブーム」が私は何気に嬉しいのです。というのも、ドイツ人はコロナ以前から口癖のように”Frische Luft, frische Luft!”(和訳「新鮮な空気、新鮮な空気!」)を連発していて、人間が外に出て新鮮な空気を吸うことはもちろん、家や会社、レストランなどでも「換気」が重要視されてきました。うちの両親も例にもれず徹底していて、ドイツの寒い冬の夜、外の気温がマイナス10度なのに、家中の窓を同時にあけ、20分ぐらいを「換気の時間」としていました。その間、布団にもぐって、毎晩これが繰り返されるわけです(笑)

 

そういう国民性ですから、ドイツでは回転寿司にさえ「外の席」があったりします。こちら、ミュンヘンのFUJIKAITENという回転寿司です。いっけん「回転」していなさそうに見えますが、中ではちゃんと回転しています(笑)

 

 

これに限らず、ドイツでは高級レストランにしてもカフェにしても、パン屋さんにしても「外の席」を好むドイツ人が多いです。お食事は「外で食べる」とやっぱりおいしいのです。こちら、ミュンヘンの私の実家の近くにあるパン屋さんのオープン席です。

 

 

日本でもAux Baccanalesのようなヨーロッパ風のカフェの場合、「外の席」が多めに設けられている気がします。でも、本来の「日本的な感覚」の視点からいうと、「外で食べる」のは今まではあまり日本になじみのないものでした。もちろん花見は外で集まるし外で飲み食いをするわけですが、これがカフェやレストランの場合、「外の席」VS 「中の席」のどちらを選ぶかというと、私の印象では日本人は後者を選ぶ人が多いです。女性の場合は、外の席だと日焼けを気にしたり、外だと蚊に刺される可能性もあるわけですし、なんというか総合的にみて「中の席のほうが落ち着く」というのが日本の感覚でした。現に、ヨーロッパの高級レストランには外の席があったりしますが、日本の高級割烹や高級寿司店に「お外の席」はありません。

 

でもこれからは、もしかしたらそういったところも変わってくるのではないか、なんて思っています。たしかに食事をする際は、食材のほかに「雰囲気」も大事ですから、もしかしたら最初は、懐石料理のようなものを「外」で食べるのは抵抗があるかもしれません。でも私自身は慣れる自信はあります(笑)日本のお食事をお外でいただく、なんて正に和洋折衷じゃないですか。

 

自由が丘の「鮨 りんか」で #テイクアウト

 

前回のコラムに「次回は徒歩で歩いて行けるお寿司屋さんでテイクアウトをしてみようかなあ」と書きましたが、数日前に自宅から歩いて20分ぐらいのところにある自由が丘の「鮨 りんか」に行ってきました。電話で「特上握りずし」を頼んだのですが、それがこちらです!

 

 

やっぱり高級感ありますね。写真ではあまり見えませんが、こちらのお寿司は赤シャリでした。熟成時間が長い赤酢は、原料である酒粕の入手が難しいとされているため、一般の米酢よりもちょっぴり高級です。全部おいしかったですが、私は「ウニ」が一番好きでした。ミョウバンを使っていないことがわかるウニ本来の味です。なんだか贅沢な時間。

 

お寿司をテイクアウトして、お家のなかで食べるのもよし、そしてお天気が良い日にはベランダなど外に出て食べるのもいいですね~。ただ、出前ではなくテイクアウトの場合、「お店に行く」時は徒歩でもいいですが、やっぱり生モノなので、帰りはバスを使って早めに帰りました。

 

「鮨 りんか」のテイクアウトのお寿司は緊急事態宣言が明ける直前の「束の間の喜び」でした。

 

「鮨 りんか」はテイクアウトだけでなく営業もしていますので(中のカウンターも素敵です)、おススメです。

 

これからも卑屈になることなく、生活を楽しみながらも【注意できるところは注意する】を実践していけたらいいな、なんて思ってます。お互いに気をつけながら、乗り越えましょう!

 

 

次回は6月中旬更新予定です。

 

 

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サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住22年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ「ハーフを考えよう!」http://half-sandra.com/ 著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「満員電車は観光地!?」(流水りんことの共著 / KKベストセラーズ)、「体育会系 日本を蝕む病」(光文社新書)など。

ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/

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