連載第36回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

ノルウエー人美女とSushiについて語らう

 

前回に続き、ノルウエーのアネッテさんと談笑。居酒屋で撮った写真です!

 

前回は鱈を使ったノルウエーの料理の話を聞きましたが、今回は・・・待ちに待ったノルウエーの寿司事情についてです!

 

ノルウエーの寿司事情ですが、意外にも「回る寿司」ではない座って食べるお寿司屋さんが多いのだとか。ノルウエーのiSushi

https://www.isushi.no/

で提供されているお寿司のメニューはこんな感じです。

 

 

ちなみに一枚目の写真のSulten på sushi? は「お寿司はいかが?」という意味です。ノルウエーといえばノルウエーサーモンが日本でも有名ですが、このお寿司屋さんでもやっぱりサーモンが多いみたいですね。そのほかはエビ、マグロ、そして外国風のお寿司には必須の「アボカド」が確認できました。

外国のお寿司屋さんということで、イジワルな私はさっそく寿司メニューの中の「外国っぽいもの」に目がいってしまいました。うむむ、このノルウエーのお寿司に関しては、Tempuraと書いてあるエビの揚げ物のアボカド添え(10番)も気になりますし、14番、15番、18番の「スパイシー ツナ」「スパイシー サーモン(Laksはサーモンの意味です)」「スパイシー エビ」も気になりますね。22番は「スパイシー帆立にチリマヨネーズ」とあり、『ピリ辛のお寿司』もアリなんですね。西洋の料理は、もともとソースが多いですし、「ご飯&生魚」だけでは物足りず、色々ソースなどを加えて「遊ぶ」傾向があるんだなって改めて思いました。だから、炙ったり、お寿司をスパイシーにしたりして「遊ぶ」んですよね。

 

そして、ヨーロッパのお寿司の特徴というと・・・・お寿司の名前がなんだかカクテルっぽいことです!

 

このノルウエーのお寿司のメニューを見ても、Mango Madness(70番)だとか、Fantastic Four(87番)だとかGreen Obsession(91番)など、バーでカクテルを注文する時のような刺激的なネーミングが目立ちます。やっぱりヨーロッパでは、お寿司を食べることは「非日常」なので、よりそういった非日常感を出すために、ネーミングも色々と工夫していることが伺えます。

 

ちなみにMango Madnessは和訳すると「マンゴーの狂気」です(笑)サーモンとマンゴーのエキゾチックな組み合わせです。Fantastic Fourに関しては、その名の通り、4つのネタ(卵、カニ、アボカド、サーモン)がチリマヨネーズで味付されています。

 

91番のGreen Obessionは写真の通り、キュウリやアボカドがメインのまさに名前のまんまの「グリーン」なお寿司ですが、Obsessionっていうのがまた強烈ですね(笑)Obsessionとは日本語に訳すと「妄想、強迫観念」という意味ですが、70年代のアメリカにObsessionという名前の映画(邦題「愛のメモリー」)がありましたし、

あのCalvin Kleinの香水にもObsessionというのがあり、なんだかこう冒険のにおいがするのです。

 

こうやって見てみると、ヨーロッパでの寿司の「売り方」というかイメージ戦略は、お客さんに対して「貴方に非日常の冒険を提供しますよ」というメッセージを伝えるものなのですね。ノルウエーには海もありますし、昔から魚を食べる習慣はありますが、生の魚を食べる習慣はなかったので、魚が生だということも含め、「お寿司はやっぱり非日常」という要素も強いようです。

 

今更ながらですが、アネッテに「10年前に日本に来た時に、最初に食べたお寿司はなんだった?」と聞いたら、「確か回転寿司で、サーモンだったと思う」とのこと。色んなネタが回っていたけど、そこは最初は「冒険」しなかったのだとか。ウニを食べたりと冒険するようになったのは、しばらく経ってからだそうです。

 

「お寿司を醤油につけて食べることに抵抗はなかった?」と聞くと、「それは大丈夫」と即答するアネッテ。多くのノルウエー人にとって、「お醤油」もいわば未知の物だったわけですが、この「お寿司には醤油」というのは、ノルウエー人にすんなり受け入れられたのだそう。筆者の母国のドイツだと、「お醤油に慣れるのに時間がかかった」という意見もよく聞くので、そこは違いますね。

 

そんなこんなでアネッテと“寿司トーク”をしているうちに、過去のお仕事のハプニングの話に。なんでもアネッテが過去に在日ノルウエー人のために、ノルウエー産のエビを使ったShrimp Party(エビパーティー)を東京で企画したところ、パーティー当日に、肝心のエビが、なんと「東京」ではなく「大阪」に行ってしまったそうです。

 

東京と大阪ではローマ字で書いてもTokyo とOsakaとかなりスペルが違うので、町の名前に関する取り間違いは起きなさそうなものですが、各町には「番号」がついているため、どうやら先方の「番号」の手違いで、エビは東京ではなく大阪に行ってしまったのでした・・・。そのため東京のShrimp Partyは急遽、別の種類のエビで開催することに。ノルウエー人は「殻つきのエビ」が大好きで、このShrimp Partyの目玉もいわば、殻のついた大きいエビだったのですが、その時ばかりは仕方なく、殻のない小さ目のエビで対応したのだとか。ちなみに殻に関しては、食べるわけではありませんが、ノルウエー人は「殻を剥きながらエビを食べる」行為そのものが好きとのことです。

 

そんなこんなでノルウエーの寿司事情から、海鮮がらみのお仕事のハプニングなども聞けて、ちょっとドキドキ・ワクワクな時間でした。みなさん、また次回!

 

 

※次回は2020年2月末頃に更新予定です。

 

過去のコラムへのリンクはこちらになります↓

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サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住21年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/

 

 

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