NEW 連載第32回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

 

ニッポンの【魚】、ドイツの【ソーセージ】にまつわる色んな「言い回し」

 

海に囲まれているニッポン。やっぱりお魚がおいしいですし、食生活に限らず、ニッポンの生活には「魚」がよく登場します。

ふだんあまり意識したことがなかったのですが、よく考えてみると、日本には「魚」や「魚介類」関連の諺や言い回しが多いのですね。外国人であっても、この手の言い回しを理解できるようになれば、心はすっかり日本人というわけです。

さて、この際「マグロのような女」というような下ネタ系の言い回しは一旦措いておくとして、私が好きな言い回しは「目から鱗(ウロコ)」です。もともと知っている言い回しではあったのですが、私がある編集者さんに原稿を送ったところ、その内容に「目から鱗です!」と返信が来て、お調子者の私はだいぶ調子にのりました。ニッポン人の婚活女子は時に「女のさしすせそ」(※)を実践するよう言われていたりするらしいですが、この際、少しバージョンを変えて「目から鱗です!」を連発してみてはいかがでしょう。

女のさしすせそ ※

「さ」=「さすがですね!」

「し」=「知らなかった!」

「す」=「すごい!」

「せ」=「センスいい!」

「そ」=「そうなんですか!」

 

せっかく婚活の話になったので、そのまま婚活を例に話していくと、「逃した魚は大きい」という言い回しもよく使われますね。それからそれから、これは婚活などの男女に限った話ではありませんが、女性が年齢などについて「サバを読む」というのも、元々は「鯖読み」が始まりなのですね。「昔、日本海でとれた鯖を京都に運ぶ際に、時間がかかったため、『運ぶ際に何日かかったか』ということについて、日にちを少なめに言うことを『鯖を読む』と言ったことが、この言い回しの始まりだという説があるようです。さすがお魚の国!と妙に感心してしまいました。昔の人も大変だったのですね。

でも実は私が一番好きなニッポンの魚にまつわる言い回しは、婚活のもっと先をいった恋が成熟した場合の「釣った魚には餌をやらない」という言い回しなのでした。わたし、ひねくれていますね、ごめんなさい

さて、ニホンゴの言いまわしは魚関連や魚介関連が多いのは先に書いた通りですが、ドイツでは…笑っちゃうような展開ですが、はい、実際に「ソーセージ」関連の言い回しが多いです!

私のお気に入りのソーセージ関連の言い回しはこちらです。

Beleidigte Leberwurst訳:「機嫌を損ねたレバー・ソーセージ」

要はヘソを曲げ延々と不機嫌でいる有様のことですね。「そんなに機嫌を損ねたレバー・ソーセージのような事をするなよ!早く機嫌なおして。」というような使われ方がされます。余談ですが、ドイツ語圏では、人間の感情面を語る時に「レバー」がよく登場します。

二つ目のお気に入りはこちら。

seinen Senf dazugeben訳:「自分の辛子をイチイチ付け足す奴」

意味は、他人が何かをやっている時に、横から何かとウンチクを垂れたり、余計なことをしたりする有様を「イチイチ、他人の料理に、自分の辛子を付け足す」といいます

 

そしてそして、Extrawurst訳:「特別ソーセージ」

これは、何でもかんでも「特別枠」でやってもらいたいいわゆる「かまってちゃん」の人のことを指します。「僕にだけは特別枠で、他の人とは違う、別格の対応をして!」ということを常に求めてくるタイプのヒトの事を「あの人は、いつも、特別ソーセージ(Extrawurst)だよね」と言います。それにしても「特別ソーセージ」という言い方、面白いですよね。

なんだかソーセージ関連の言い回しというのもなんだかひねくれた内容のものが多いですが(笑)Glücksschwein(訳:「幸せなブタさん」)な~んてポジティブな表現もあります。というのも、ドイツではブタはハッピーの象徴なのでした。

アンラッキーな状況のなかでも、偶然が重なって、たまたまラッキーな展開になると、“Schwein gehabt!“ (訳:「ブタさんだったね~」意味は「ラッキーだったね」ということ)なんて言ったりします。

…とラッキーな話が出たところで、ポジティブに〆たいと思います!みなさん、また来月!

 

※文中のソーセージ関連の写真は、ドイツ大使館の外壁に貼ってあるものです。東京・広尾に行かれる方は、ぜひご覧になってみてください。

 

※次回は11月中旬に更新予定です。

 

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サンドラ・ヘフェリン

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住21年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/