外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?
来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!
「アメリカ発」のお寿司をニッポンで食べる
・・・なんだか挑発的なタイトルですみません。もちろんお寿司の発祥はニッポンです。でも今回はSUSHI CAFE TARO Brooklyn New Yorkにやってきたのです。そう、このお店は名前の通り、ニューヨークで流行っているSUSHIをニッポンへ「逆輸入」したものです。お店は三軒茶屋にあります。
外観はこんな感じです。
このSUSHI CAFE TARO Brooklyn New Yorkは今回の私のように「店で座って食べる」人ばかりではなく、むしろテイクアウトする人が多いようです。私が行った時も、テイクアウト待ちの若い男の子がいました。店内で食べる場合も、レジで注文してから、お店の人が席まで持ってきてくれるスタイル。ニッポンの老舗のお寿司屋さんでは見られないタイプの「この店らしい」寿司をレジで頼み、窓際の席に座りました。
店内にはノリノリの洋楽が流れています。店内を見渡しながらホッと一息ついていると、店員さんがお茶を持ってきてくれました。お茶は紙コップで提供されますが、なるほど、これもテイクアウトスタイルを意識したものですね。ちなみにジャスミン茶でした。そういえばドイツで回転寿司に行った際にもジャスミン茶が出てきましたし、どうも欧米文化圏ではお寿司に合うのはジャスミン茶だというのが浸透しつつあるようです。
お茶を飲んでスッキリしたところに、注文したお寿司がやってきました。
まずはこれですよ、和洋折衷SUSHIの「ウナアボロール」です。名前の通り、ウナギとアボカドをコラボさせたお寿司です。うんうん、夏といえばやっぱりウナギですもんね。
「ウナギ」と「アボカド」のコラボは意外なようですが、食べてみると・・・これが「いい感じ」なのです。ウナギとアボカドはどちらも「こってり」系で食感も合うと私は思いました。また食べてみたいかと聞かれたら、迷わず「食べてみたいです!」と答えます。
そして、こちらレインボロールです。そうです、虹色のお寿司です。絶対にインスタ映えしますね。
こちら、写真の通り、パッと見ると見た目が華やかなので、ちょっぴり警戒していたのですが、不安は杞憂でした。こちらも、美味しいのです。サーモンとアボカドはもともと合いますし、そこにマグロや海老も加わっていますが、この組み合わせはどれもしっくり。写真だと「巨大な一貫」に見えますが、実は切ってあり、1貫にバラしてみると、こんな感じです。
最後は「サバ昆布締め握り(白板昆布のせ)」で締めました。こちら、ウナギやアボカドなどをいただいた後にはぴったりの「スッキリ」させてくれる味です。
このSUSHI CAFE TARO Brooklyn New Yorkで3品食べた後の感想は・・・これはイケる味だということ。名前を聞いて最初はトンでもないものが出てくるのでは、と不安でしたが、それは杞憂に終わりました。考えてみれば、外国発祥とはいえ、こうやってニッポンは三茶に上陸しているわけですから、当たり前ですね。
先ほどいただいたお寿司の全体のアップ写真はこちらです。なんというか色使いや盛り付けが華やか。
お値段はこれで約2千円でした。私はここにまた来ようと思います。予約を入れなくても良いからフラッと入れますし、かといって、回転寿司とはまた違った欧米風のカジュアルさのあるこのお店を私は「お気に入り」に保存しました。
ちなみにアメリカはNew Yorkにある「本場」のお店はこちらをご覧ください。
ここのお寿司はニューヨークスタイルに「現地化」されているけれど、それでもニッポンでも受け入れられる味。お寿司の盛り付けなどは欧米風のパーティーを連想させる「遊び心」がありながら、季節のものもちゃんと取り入れていて、こういう和洋折衷はいいなあ、なんて思いながらお店を出ました。
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サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住21年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/