外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?
来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!
アスパラガス&日本酒 VS お寿司&ワイン
梅雨ですね。・・・ドイツでは白アスパラガスの季節、まだまだ続いています。
先日はお世話になっている先輩夫婦から、ドイツ産の白アスパラガスを送っていただき感激。そこから3日間、ディナーには夫婦共々アスパラガスをいただくという贅沢な日々。溶かしバターやオランデーズソースをかけるのもいいけれど、ある日たまたま何もかかっていないアスパラガスをいただいたら、なんだかそちらのほうが美味しい!・・・となり、以来、何もかけず「白アスパラガス本来の味」を楽しんでいます。ああ幸せ。
ところで白アスパラガスといえば白ワインが合うと思われがちであり、それは事実でもあるのですが・・・実は一部の日本酒も合います。白アスパラガスと一緒に「純米酒 浦霞」をチビチビしましたが、それはもう最高でした。梅雨の季節にアスパラをいただきながら家でチビチビ。しつこいようですが、こういうのを幸せというのですね。
「純米酒 浦霞」の原料米は「まなむすめ」。米の旨みが生きていて、お野菜(それは白アスパラガス)とも相性がいいのです。
【海苔&赤ワイン】そして【醤油&赤ワイン】
さて、ここからが本題の「お寿司」ですよ。6月が旬の寿司ネタといえば、「かつお」や「あじ」がありますが、この「あじ」には、「白ワイン」が合うんです。ドイツのリースリングの「甘口ではなく辛口」を選ぶと、「あじ」の臭みが消された上で旨味はちゃんと味わえるので、おススメです。
「あじ」には合う白ワインですが、白ワインがお寿司全般に合うかというと、それは微妙なところだと思います。致命的なのは白ワインとお醤油が互いにぶつかって、あまり合わないこと。だから、お寿司にお醤油をつけずにいただくならよいのだけれど、お醤油をつけて白ワイン・・・だと厳しいなと感じることも。むしろお醤油だと「赤ワイン」が合うかと思います。
「お寿司に赤ワイン」というと、意外かもしれませんが、ネタによってはこれが絶妙なのです。特に「マグロと赤ワイン」は合います。魚というと、どうしても白ワインという固定概念があったりしますが、たとえばピノ・ノワールのブルゴーニュ&マグロなんてもうピッタリなのです。
先ほどお醤油だと、白ワインではなく赤ワインが合うと書きましたが、面白いのは「海苔」にも「赤ワイン」が合うということ。
思い込みを捨てて「和洋折衷」
ニッポンの海苔に赤ワイン。ニッポンの醤油に赤ワイン。・・・これが「合う」とはまさに和洋折衷ですね。(もちろん日本産赤ワインもあるわけですが。)
海苔は意外と味わいがしっかりしていますし、お醤油だっていってみれば味は濃い(味もそうですし、香りも強い)ので、そこは深みのある赤ワインを合わせるとバランスがよく絶妙です。
そう考えると、今までの「思い込み」というか「こだわり」を捨てると、お寿司の楽しみ方も広がるのかもしれません。アウトドアが厳しい梅雨の季節、いろいろと食べ比べたり、飲み比べて、乗り切りましょうね。
次回の更新は6月末頃を予定しております。
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サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/