外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?
来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!
ダイエットの強い味方。「シャリ」を調整してくれる店
ニッポンといえば「お米」ですが、筆者の母国ドイツではお米はあまり食べず、「ジャガイモ」や「パン」を食べる機会のほうが多いです。特にパンに関しては、朝ご飯にパン、10時のおやつにサンドイッチのパン、ランチにパン、夜もまたパンと、一日に何回もそれが登場することも珍しくありません。
上に「10時のおやつ」と書きましたが、ドイツ人は平均して朝が早く、朝ご飯も早い時間に食べるので、午前10時頃にはお腹がすくのです。子供が学校の休み時間にパンを食べるのも午前10時台だったりします。
ところで、ドイツでは温かくない食事、つまりは昼や夜にパンなどを食べることをKalte Mahlzeit(冷たい食事)といいます。でもドイツ的な感覚では、これは決して味気ないものではなく、Kalte Mahlzeitで済ます人は結構います。
そんなこんなで「パン」を食べ慣れているドイツ人ですが、同じ炭水化物である「お米」は食べ慣れていないため、ドイツ人とお寿司屋さんに出かけると、皆さん早い段階でギブアップしてしまい、二、三貫を食べたところで、「もうお腹いっぱい」となってしまう人も少なくないのでした。日本人からすると、体格の良いドイツ人が二、三貫で食べられなくなると、口に合わなかったのか…?などと色々心配したりしがちですが、お寿司を沢山食べられない理由に「お米を食べると、すぐに満腹になってしまう」というドイツ人も結構います。
まあ日本人でもお米を食べるとすぐにお腹いっぱいになってしまう、という人もいますが、何せニッポンは「お米の国」ですので、なんだかんだでお米は沢山食べる機会があり、皆さん慣れているところがあります。
ところが、ドイツを含むヨーロッパ人は、日本人から見たらたいした量ではない「シャリ」で満腹になってしまうことがよくあり、これは、もしかしたら、ある種の「欧米人あるある」かもしれません。なんというか「パン」はパパッと早めに食べられるのに、これがお米となると、お腹が膨れ、早い段階でギブアップしてしまうのですね。
おいしいネタがまだ沢山あるのに、ちょっと残念だなあ・・・・なんて思っていたのですが、最近はタブレットで注文をする際に、「シャリ」の量も予め選択できる回転寿司もあります。
先日入った回転寿司では、「シャリ」の量を選ぶ画面に英語や中国語の外国語の画面もありました。「普通」「少量」と「シャリなし」が選べます。
「シャリ」(rice size)の上には、Wasabi?の表示もあり、「ワサビを入れるか・入れないか」を選べるようにもなっています。ワサビに関しては何かと悲劇が多いので、こういう外国語表記があるのはありがたいことです。
お寿司の値段も英語や中国語表記がありますし、親切ですね。
英語表記はこちら。
こちらは中国語表記。
「シャリ」の量が選べるのは、冒頭のようにお米をあまり大量に食べられない人にとってありがたいシステムなのはもちろん、「炭水化物を制限するダイエット」をしている人にとっても大変ありがたいです。
私は前に回転寿司に行った時、タブレットで、No rice(シャリなし)を何回か続けて選択したので、いわば「お刺身」が出てきたわけですが、これもあら不思議。シャリが無いとたくさん食べられるかと思いきや、お刺身ってあまり大量に食べられないものなのですね(笑)まあ生ものなので当たり前なのかもしれませんが。なので、それ以降は「シャリ少」を選んでいます。そうすると、少なめのシャリで、色んなネタが食べられるので、食い意地が張っている私にはピッタリです。日々進化を続けている回転寿司に感謝です(笑)
次回の更新は4月下旬頃を予定しております。
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第1回
第2回
第3回
第4回
サンドラ・ヘフェリン
コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/