NEW『早川光 江戸前寿司の世界』72~師走のマグロ~

マグロ

最高のマグロの爆発的な旨み

海水温が下がり身にたっぷりと脂を貯えた12月はマグロが一年中で最も美味しい時。名店と呼ばれる寿司屋は、その中でもさらにトップクラスのマグロを手に入れるために競います。

「今日のは北海道戸井産の260キロ。香り、酸味、脂ののり、すべてが申し分のない“THE 冬のマグロ”です」

そう言い切る『鮨なんば』の高岡俊輔さんの顔には、自信が満ち溢れています。

「これは “腹シタ”という部位。やや尾に近い腹の身ですが、赤身とトロのバランスがよく、両方の旨みを併せ持っています。2週間ほど寝かせてしっかり熟成させているので、食べたら旨みが口の中で爆発すると思いますよ」

味がよくわかるようにと大きく厚く切りつけた中トロを口に入れると、最高クラスのマグロだけが持つ香り、旨み、コク、そして脂の甘みがいっぺんに舌の上で踊り出します。それはまさに“爆発的”美味しさです。