NEW『早川光 江戸前寿司の世界』71~師走の第五貫~

ノドグロ

藁のスモーキーな香りを纏わせる

“ノドグロ”は北陸や山陰など日本海沿岸で使われてきた通称で、正式名称は『アカムツ』。でも近年は“日本海の美味”としてメディアで取り上げられる機会が増え、ノドグロの呼び名の方がポピュラーになりつつあります。

「美味しい魚ですが、脂がのりすぎていたり鮮度が悪いとクセが出てしまうのがノドグロの特徴。でも今年のノドグロは脂がのっていても身がゆるくないし、魚によるバラつきも少ない。例年に比べてすごくレベルが高いと思います」

ノドグロの皮目を藁の火で炙って余分な脂を落とし、スモーキーな香りを纏わせるのが『鮨なんば』のスタイル。

「ふんわりした食感にするため、炙る時に必要以上に火を入れないのがポイントです。うちは白と赤、2種類のシャリを魚によって使い分けますが、ノドグロには旨みの強い赤シャリを合わせます」

握りを食べればノドグロの甘い脂と赤シャリの旨みが口の中でひとつになり、唸るような深い味わいへと昇華します。