『早川光 江戸前寿司の世界』68~師走の第二貫~

カワハギ

肝の濃厚な旨みは大トロに匹敵

カワハギはフグ目カワハギ科の魚。その風変わりな名前は、皮が固いため「皮を剥いで料理する」ところからつけられたもの。

淡白な味わいの中にしっかり甘みがあり、フグに似た旨みがあるのが特徴。そして肝(肝臓)の味はすべての魚のトップクラス。その美味しさから“海のフォアグラ”とも呼ばれています。

「カワハギの魅力は肝に尽きます。なので肝に脂がのる10月頃から使い始めます。でも一番いいのは12月ですね。今日のは鹿児島県出水産ですが、九州のカワハギは全体的に身が筋肉質で歯応えがよく、肝の脂の質も高いのでよく使います」

高岡さんはカワハギの身には何も手は加えず、シャリの間に大きく切った肝を挟んで握ります。香りづけのネギやアサツキも一切用いません。

「肝の濃厚な旨み、甘みはマグロの大トロに匹敵するもの。香りづけをしないのは、その味わいをストレートに楽しんでいただきたいからです」