連載第10回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

 

サイフがすっからかんになる回転寿司@ドイツ

 

前回に続くドイツの回転寿司シリーズ。今回はドイツはミュンヘンのオシャレ・エリアSchwabingにある回転寿司屋さんです。

 

地下鉄の駅Münchner Freiheitを出たら・・・ありました、FUJI KAITEN running sushi です。外観はこんな感じです。オープンカフェのように外でも食べられるような形式になっていて、オシャレですね~。

ん?でも看板には、running sushi (回転寿司)とありますが、ちゃんと「回転」してるんかいな?と心配になりつつ、入って、ホッ。ちゃんと回転してました!

レーンはこんな感じです。

席に案内され、何をとろうかな、と迷っていると、優しそうな中国系の店員さんが、”Was möchten Sie trinken?”(「飲み物は何にしますか?」)と聞いてくれました。そうでした、そうでした、ここはニッポンではないので、客の席に「湯のみを押し付ければ熱湯が出てくる湯出しボタン」はないのですね。当然、緑茶のティーバッグや粉末が席に用意されているはずもなく、緑茶を飲みたい場合は「店員さんに注文する」のでした。と、ということはですよ。ま、まさか有料?!・・・・そうでした。有料です。

ドイツは回転寿司といえども、飲み物は全部有料なのでした!

飲み物メニューはこちら。緑茶もジャスミン茶も、あと「玄米茶」もあるのでした(上から3番目)。

そして、店員さんが持ってきた緑茶がこちら。うわ~、湯のみ、いいですねえ。なんだかニッポンの回転寿司のようです。

お茶を一口飲んだところで、周りを見渡してみると、さすがオシャレ・エリアだけあって、意識高い系のドイツ人が、目立ちます。私の横にいた男性は、余分な贅肉ひとつない鍛え抜かれた身体で、上腕二頭筋を適度に疲労しながら、カッパ巻きを次から次へととり、それはそれはエベレストのような高い皿の山を作っていました。お値段、いくらぐらいになるのでしょうか・・・・?

私の席の向かい側のちょっと離れた席にいた超絶美人なドイツ人女性も、慣れた手つきでお寿司をとり、パクパク。お箸の使い方も上手です。それにしても、私、ドイツに来てまで、人を観察して「あの人、お箸が上手!」とか思ってしまうのって、私、いったい何様なのでしょうね・・・

さすが、意識高いエリアは違う・・・と納得したところで、自分もレーンに手を伸ばして、とってみました。

こちら、カッパ巻きです!・・・と言いたいところですが、たぶん皆さんに反論されてしまいますよね。はい、中に入っているのは確かに「キュウリ」なのですが、よく見てみると、その周りは生チーズに覆われているのですね。でも食べてみたら、キュウリと生チーズというのも味として中々マッチしている気がしました。ニッポンでいう「カッパ巻き」とはもちろん違いますけど。

生チーズが邪魔をして(?)よく見えませんが、よく見ると、キュウリはちゃんと「海苔」に巻かれているのですね。ただ、ご飯とキュウリの「間」に海苔があるので、なんだか海苔を隠しているようにみえます。ニッポンの感覚だと、やっぱり「海苔は外側に巻いてほしい!」と強く思いますが、以前書いたように、そもそも海がない欧州の内陸部の人々は当初SUSHIというものがヨーロッパに上陸した時に、その黒々とした「海苔」というものに警戒心を抱いていたので、ヨーロッパにおいて「海苔」とはこのように隠し味のように、中に隠すものとなってしまったのでした。

しかし生チーズのせいだか、喉が渇いてしまい、緑茶をもう一杯注文。

続けて、アボカドロールと、お味噌汁も頼みました。

しかし味噌汁、なんだか、しょっぱいです。というわけで、また緑茶を注文(3杯目)。

・・・と。そこに、ド派手な色のお寿司が回ってきました。ひゃー。派手なプチプチ。「海苔を外に出さない」代わりに外側に「派手なプチプチ」をつけて華やかに・・・というまさに欧米流寿司でございます。さすがオシャレ・エリア!

ド派手寿司で満足してしまい、先ほどの中国系の店員さんに「お会計お願いします。」と伝えたところ、店員さんに「え?もう食べないの?おいしくなかった?」と心配されてしまいました。

あれ?でも私4、5皿は食べたし、そんな心配するようなことのほどでもないのに・・・?なんて思いながら会計をしていると、店員さんに「All you can eatで食事代は13ユーロになります。」と言われ、納得。そう、ここは「お皿を数えて枚数によって値段が変わる」ニッポン流の回転寿司のシステムではなく、「食べ放題」のシステムにしていて、基本的に「何枚食べても13ユーロ」なのでした。それで、先ほどの贅肉のない筋肉マンはあれほどエベレストのように皿を積み上げていたわけですね。納得納得。

※13ユーロ=約1700円前後

しかし食べ放題形式で「一律13ユーロ」はいいけど、ワタクシの場合、緑茶を3回も頼んでしまったので、食べ放題の食事代13ユーロに加算して飲み物代というか緑茶代の6ユーロが加算されてしまい、合計20ユーロ近くになってしまいました。はい、ドイツの回転寿司屋さんで飲み物をジャンジャン頼むと、お財布がすっからかんになります。学習しました。これも勉強です。

※20ユーロ=約2600円前後

それにしても、店員さんもニコニコしていて優しいし、ニッポンの回転寿司にあるような「湯のみ」があるなど「日本らしいグッズ」にもこだわっていますし、何よりもここはドイツはミュンヘンのオシャレ・エリアにありますので、ミュンヘンを訪れた方は、ビアホールだけでなく、ぜひここFUJI KAITEN running sushiにも足を運んでみると、いろいろと異文化理解が深まるかと思います。

それでは皆様、また来月!

 

 

次回の更新は11月上旬を予定しております。

 

過去のコラムへのリンクはこちらになります↓

第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

第7回

第8回

第9回

 

サンドラ・ヘフェリン 

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/