『早川光 江戸前寿司の世界』50~長月の第二貫~

~イカウニ~

イカとウニ、2つの甘さが融和する

イカウニとは河野さんがつけた呼称。山口県萩産のシロイカ(ケンサキイカ)の上に、北海道利尻島産のエゾバフンウニを乗せるという斬新な発想の握りです。

「イカとウニの味の相性がいいのはわかっていても、一緒に食べるとウニが先に融けて、イカの味だけが残ってしまう。そこでイカに細かく包丁を入れ、2つが口の中で混ざり合うようにと考えたのが、この握りです」

河野さんはシロイカをまず縦方向に細切りにし、さらに横からも包丁を入れることで、口の中ではらりとほどけ、ウニとひとつになるように工夫しています。

「切り方を間違えると握る時にイカが手に張りついてしまうので、イカの厚みによって包丁の入れ方を変えるのがポイントです」

握りを食べれば、イカとウニの異なる2つの甘さが融和して、まったく新しい味に感じるのが面白いところ。上から振った藻塩がその甘さをさらに引き立てます。