9月を代表する寿司だねと言えば、イクラ。江戸前寿司では保存用の塩イクラ(塩漬けにしたイクラ)ではなく、新鮮な“生イクラ”を軍艦巻にして食べるのが一般的。8月から出回りますが、粒が大きくなる9月から10月にかけてが食べ頃です。
もうひとつ、初秋にしか食べられない期間限定の味が“ソゲ”。重さ1キロ以下の成長途上のヒラメのことで、小さくても旨みは強く、心地よい歯応えが魅力。
まだまだ海水温が高いこの時期、日本近海のマグロの脂ののりは今ひとつ。そのかわり黒潮に乗って北上した“戻りガツオ”が旬を迎えます。とりわけ千葉勝浦の引き縄漁で獲れるカツオは、脂の甘みと赤身の酸味のバランスが素晴らしく、寿司職人たちの間でも高く評価されています。