連載第9回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

 

ニッポンのお寿司 VS ドイツの白ソーセージの共通点

 

ここのところ、こちらのコラムでは「回転寿司」のことをメインに書いていました。お寿司を気軽にいただけるようになったことは喜ばしいことですが、本来「お寿司」はニッポン人にとってやっぱり特別なもの、そして「特別な日」にいただくものでありました。

記念日やお祝い事の際に家族でお寿司を食べに行ったり、出前でお寿司を取ったり。

「お寿司」と聞くと、なんだか特別な日という感じがして心が躍る方も多いのではないでしょうか。

さて、筆者サンドラが育ったドイツはバイエルン州ミュンヘンでのお祝い事や特別な日のお食事はというと、それはヴァイスヴルスト(独: Weißwurst「白いソーセージ」)なのでした。

これはよく挽いた仔牛肉、新鮮な豚肉のベーコンから作られたもので、風味付けにはパセリ、ナツメグ、たまねぎ、しょうが、カルダモンが使われるなど様々なバリエーションがあります。これを新鮮な豚の腸に詰めたものがWeißwurst(ヴァイスヴルスト、白いソーセージ)というわけです。つまりソーセージの皮の部分は「豚の腸」なのですね。

意外に思われるかもしれませんが、Weißwurstは非常に傷みやすいです。冷却機能がなかった昔からの伝統で、Weißwurstは早朝に準備をし、その日の朝食もしくは昼食にいただくのが習わし。昔から、昼の12時以降はWeißwurstを食べてはいけないといわれていました。

さて、ウンチクが長くなりましたが・・・大事なこと!Weißwurstの皮は「食べられません」。もちろん凄く新鮮であれば食べてもよいのですが、通常お店で出てくるWeißwurstは皮を食べても美味しくはありません。というより、ゴムのようで噛みきれないです。ですので、皮を剥いてからソーセージの中身を食べるわけですが、この「皮剥き」にはちょっぴりテクニックが必要だったりします。

まず、白いソーセージの皮の部分にナイフで縦に切れ目を入れます。

それから中身をフォークとナイフで剥がして、出していきます。こんな感じです。

全部、綺麗にはがせました。はがした皮はこんなふうに横においちゃって大丈夫です。

そして、甘いマスタードSenfをつけて、いただきます。

私は上記の写真のように、最初にいっきに切れ目を入れるのですが、以下の動画のように、最初にソーセージを半分に切ってから、皮をはがしていく方法もあります。

 

白いソーセージの皮の剥き方(食べ方)

※1分23秒のところで、剥き方を紹介しています。

https://www.youtube.com/watch?v=O8D6qsoBtW4

 

面白いのは、この白ソーセージは手づかみして、中身を口でチューチューと吸いだしてもオッケーなこと!これをzuzeln(ツーツェルン)といいますが、伝統的な食べ方です。ナイフとフォークが一般的ではなかった時代に浸透した食べ方ではあるのですが、今でも正当な食べ方ですので、手で食べてもマナー違反ではありません。現地のバイエルン風のレストランでも、よくzuzelnしている人がいます。一番最初にソーセージの両端を切り下してから、zuzelnします。詳しくはこちらの動画をご覧ください。音楽とともに楽しめます(笑)。

Zuzeln(中身を吸い取って食べる)のやり方

※1分59秒のところでzuzelnしてます。

https://www.youtube.com/watch?v=7rueyNSQA4o

考えてみれば、ニッポンのお寿司も、手で食べるのが「粋」な食べ方だったりします。もちろんお箸で食べてもよいけれど、聞いてみたところ「手で食べたほうが寿司が美味しく食べられる」という声や「お箸で寿司を食べると、ネタとシャリが分離しやすいけれど、手だとこれを防げる」という意見もありました。ネタを下にして醤油をつけ、そのままの状態(ネタを下にしたままの状態)で口に入れると、より美味しくお寿司が食べられるのだとか。

というわけで、ニッポンの寿司も、ドイツの白ソーセージも、「手で食べるのがオッケー!」という意外な共通点があったのでした!

なんだか嬉しいです(笑)。

なにはともあれ、みなさんも【食欲の秋】を楽しんでくださいね。

 

次回の更新は10月中旬を予定しております。

 

過去のコラムへのリンクはこちらになります↓

第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

第7回

第8回

サンドラ・ヘフェリン 

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/