連載第8回 サンドラ・ヘフェリンの醤油二度づけ禁止令~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

来日20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが “お寿司” にまつわる「あんなことやこんなこと」について、語ります!

ちょっとビックリな寿司ネタ@ドイツ

 

ドイツはミュンヘンで休暇を満喫中、お天気にも恵まれたので、散歩に出かけました。散歩の途中で見つけたのが、こちら。ミュンヘンのHarras駅から近いLindwurmstraßeにあるSUSHI JIL&WOKです。

しかしドアを開けようとすると・・・なんと閉まっていました。そう、この日はドイツの祝日だったのです。ドイツはデパートやスーパーマーケットなどが日曜日と祝日は閉まっているのですが、こういうお店も閉まっちゃうこと、あるんですね。。

でも諦めず日を改めて、再度SUSHI JIL&WOKを訪れました。今回は開いてました!ここ、中で食べることもできるけれど、テイクアウトが多い店みたいです。

店の外観はこんな感じ。

 

さっそく、入ってみます。“サーモン”と“Tokyo Maki”なるものを組み合わせたプレートを頼んでみました。

 

さて、その“サーモン”がこちらです。

 

サンドイッチ風のお寿司といったところでしょうか。

ドイツはやっぱり、サンドイッチが主流のお土地柄だから、お寿司もサンドイッチ風にアレンジされている・・・と言いたいところですが、ニッポンでも最近「寿司サンドイッチ」「おにぎらず」をよく見かけますよね。

もしかしたら、お寿司の「サンドイッチ化」や、お寿司の「おにぎり化」は世界的な傾向なのかもしれません。

サンドイッチを食べてみたところ、やっぱりおにぎりっぽい味でした。ただ、ここはさすがドイツ。サンドイッチが大きくて、3つもいただけば、食事一回分ぐらいの量!

そして、期待のTokyo Makiです。サーモン・サンドイッチの後ろに見えるのがTokyo Makiでございます。ところで私、なぜTokyo Maki(「東京巻き」)を頼んだのかというと、名前ですよ、名前。私もTokyoからミュンヘンに遊びに来ているわけですので、Tokyo Makiを頼んだ次第でございます。

「東京巻き」(Tokyo Maki)のネタは、、、はい、ご覧のとおり「バナナ」でした。。

「東京」と「バナナ」とは、これまたぜんぜん関係ない組み合わせのように思われますが、よく考えてみたら、ニッポンにも「東京ばな奈」なる東京名物のお菓子があったりするのですね。今や東京土産の定番になっているといいます。なので、「東京」と「バナナ」の組み合わせは、実はそれほどおかしくはありません。

 

でも、「お寿司」と「バナナ」という組み合わせは、どうなんでしょう・・・・?

 

さっそく食べてみます。うん?なんか、ヨーグルトだかチーズの味がする?と思ったら、やっぱりそうでした。バナナの上には生チーズが載っているのですね。

こちら、生チーズのアップの写真でございます。

バナナの上に生チーズが少し載っているの、わかりますか?

食べてみて、一口目は衝撃でしたが、このバナナ寿司、いえ「東京巻き」(Tokyo Maki)は量が多かったので、何貫か食べているうちに、うん、創作料理としてはイケるかも、なんて思いました。「お寿司」としていただくには、ニッポンの感覚だと難しそうですが、お寿司と思わなければ、意外とアリかも。

プレート全体はこんな感じです。

ドイツ風で量は多いですが、盛り付けはかわいい感じ。ワサビが花の形にアレンジされています。

気になるこの寿司プレートのお値段は、サーモンのサンドイッチが、5.90 ユーロ、そして、バナナ寿司のTokyo Maki が5.50 ユーロ。プレート全体は、11.40 ユーロなので日本円で1600円くらいですね。(1ユーロ140円換算 2018年9月現在)でも何といっても量が多いので、食べごたえはあります!

 

ところで、最後の最後にウンチクを語ってもいいですか。このバナナの入っている「東京巻き」(Tokyo Maki)もそうなのですが、ドイツなどの欧米諸国で見かける「お寿司」は「海苔を外側に巻いていないタイプ」のものも多いです。このTokyo Makiに関しても、海苔はバナナを覆う形で、お米の中の部分に、外から見てあまり目立たない感じで、お寿司の中に入っています。

昔は、海外でお寿司を見かけるたびに「海苔が隠れている」ことを不思議に思っていた私ですが(海苔が好きなので、なぜ従来のやり方で外側に巻かない?と不思議に思っていました)、実はこれは文化の違いというか食文化の違いに答えがあるのでした。

ドイツを含む多くの欧米諸国では海藻を食べる習慣があまりないため、「未知なる食べ物である海苔」に対して、当初警戒をする人が多かったのだとか。なので、人々の警戒心を和らげるため、海苔を「外」に巻くのではなく、「内側に見えないように」して入れ始めたのでした。

でも最初は警戒されていた海苔ですが、最近は海苔が健康に良いことも知られ始め、普通に海苔を食べる人もだいぶ増えました。なので、欧米諸国でも、ちゃんとニッポン流に「外側」に海苔を巻いているお寿司もずいぶん増えています。

・・・・はい、ウンチクもここで終わりにします。また次回、10月にお会いしましょう!

 

 

次回の更新は10月上旬を予定しております。

 

 

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第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

第7回

 

サンドラ・ヘフェリン 

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/