梅雨シーズンの6月は降雨量が増え、山のミネラルを含んだ川の水が海に流れ込むため、海水と淡水の混ざり合う汽水域に棲む魚介が身に栄養を貯えます。中でも江戸前のアナゴとシャコはこの時期に最も美味しくなると言われています。
寿司だねとしては数少ない淡水魚のアユも6月が旬。江戸前寿司では長時間酢につけて骨を柔らかくしてから握りにします。
そしてもうひとつ、コハダの幼魚であるシンコも例年6月末くらいから登場します。“江戸前寿司の夏の風物詩”と言われるほど人気が高く、シンコがたね箱を飾る8月下旬までの約2ヶ月間は、目当ての客が寿司屋に集います。