新連載第1回 サンドラ・ヘフェリンの 醤油二度づけ禁止令 ~外国人をお寿司屋さんにつれて行こう~

外国人が“お寿司”を食べる際に生じるハプニングとは…?

日本在住20年、ドイツと日本のハーフであるコラムニスト、サンドラ・ヘフェリンが“お寿司”にまつわる「あんなことやこんなこと」について語ります!

―前編―

スシの食べ方で『ニッポン人』かどうかが分かる!?

 

はい、タイトル通りです。外国の血が入った筆者(父がドイツ人)は「人の振り見てわが振り直せ」ではないですが、人の寿司の食べ方を見て、自分も気を付けよう・・・と自分に言い聞かせています。

 

まあお寿司の食べ方でその人が『ニッポン人かどうか分かる』というのは大袈裟ですけど、外国からの旅行客が「どこまでニッポンの文化に慣れ親しんでいるか」はある程度までわかると思っています。

 

もっとも我が弟(筆者の弟ですので、筆者と同じくドイツと日本の『ハーフ』です)のように、日本にほぼ10年住んでいながら、お醤油皿に毎回水たまりかと思うほどのお醤油をドボドボと垂らして食べて満足している人もいますけど。

 

我が弟に限らず、なんとなくお醤油を「ソース」のようにとらえてしまい、「量が多ければ多いほど、おいしいはず」と思ってしまうのは、ある種の「外国あるある」かもしれません。

 

おいしそうなサーモン!でも醤油の量が・・・

 

さて、今回のテーマは【外国からの旅行客がお寿司屋さんでやってしまいがちなこと】でございます。

 

【おしゃべりに夢中になり目の前の寿司を放置】

 

よくありがちなのが、カウンターのお寿司屋さんで、外国人のお客さん同士でおしゃべりに夢中になり、「目の前にある新鮮なお寿司を放置」してしまうこと。ヨーロッパでは、出されたものを即食べると、むしろいやしいと思われるフシもありますので、全員が食卓にそろうまで待つだとか、ワインなどを飲みながら、(人にもよりますが)ゆっくりゆっくりと食べる習慣がありますが、何せお寿司は【鮮度が命】であります。カウンターに着席する前に【お寿司は鮮度が命】【板前さんにお寿司を握ってもらったら、出してもらったその瞬間に食べるのが礼儀】だと教えてあげましょう。

 

教えてあげないと、本人達は知る術もありませんから、延々とおしゃべりに興じますし、板前さんはフキゲンになりますし、そして何よりも目の前のお寿司の鮮度が落ちますので、何も良いことはありません。「お寿司は鮮度があってこそのお寿司」だということを事前に教えてあげましょう。

 

【お箸の使い方について】

 

お寿司そのものの話ではありませんが、お寿司と深く関係している「お箸」のお話です。もちろんお寿司を素手で食べるのもアリですが、そこまで「通」な外国人観光客は稀かもしれません。となると、お箸の使い方が大事になってくるわけですが、筆者も先日、日本に遊びに来たドイツ人の友達夫婦に「お箸の使い方」をレクチャーしたばかり。

 

お箸を持ち、指にあたる部分を横から見せ、中指を上下して動かすと同時に人差し指とお箸も動くと分かると“Wow“と歓声が上がりました(笑)。その夫婦、日本に来る前にこちらの「お箸の持ち方やマナー」について書かれているドイツ語の本(※)を既に読破していたのですが、私のレクチャーを見て「実際に『動き』を見るとやはり違う!」と感心してくれて、アホみたいですけど私はちょっと誇らしげな気持ちになってしまいました(笑)。でも「動き」に関しては最近Youtubeにも出ているのですけどね。

 

https://www.amazon.de/Mit-St%C3%A4bchen-Essen-lernen-Fingerfertigkeit-ebook/dp/B01N5EMWDY%3FSubscriptionId%3D0RKCVDH86TRZ8HQTP9R2%26tag%3Dmartinhamann-21%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3DB01N5EMWDY

余談ですが、そもそも「お寿司」は最初にお箸の使い方を練習するのには非常に向いている(?)食材なのであります。お蕎麦やうどんなどの麺類は滑りやすくハードルが高いので…。

 

なにはともあれ観光客に関してはお箸に慣れている人もいれば、筆者の友達夫婦のようにそうでない人もいるわけですが、お箸を持つ時に手先が多少ぎこちなく安定感がなくグラグラしたり、全体的に雰囲気がたどたどしいのは大目に見てあげたいものです。

 

ただ【お箸に関してこれは絶対にタブー】だという内容のものだけは事前に教えてあげたいもの。お箸で、お寿司やそのほかの食べ物を爪楊枝のようにつついたり刺したり(刺し箸)、会話中にお手洗いなどの「方向」を指す際にお箸を使ったり、人のほうにお箸を向けて(「ほら、あの人!」みたいに)指したり(指し箸)、空になった湯呑にお箸を入れたり(たて箸)というのは避けたいところ。外国人に説明をする際には、単にマナー違反だという説明だけでもよいのですが、湯呑やコップにお箸を入れてしまうのは、日本では人の死や仏事を連想させてしまい縁起が悪いものだとされている、という「文化的背景」についても併せて説明するとなお分かりやすいでしょう。

 

後編に続く…(後編は6月15日頃更新予定)

 

 

 

サンドラ・ヘフェリン 

コラムニスト。ドイツ・ミュンヘン出身。日本在住20年。 日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、日本とドイツを比べながら「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ)、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ」(ヒラマツオとの共著/メディアファクトリー)、「爆笑! クールジャパン」(片桐了との共著/アスコム)、「満員電車は観光地!?」「男の価値は年収より「お尻」!?ドイツ人のびっくり恋愛事情」(流水りんことの共著/KKベストセラーズ)など計12冊。ホームページは 「ハーフを考えよう!」 http://half-sandra.com/