寿司用語 (18/05/22更新)

NEW《隠し包丁》

生のイカやアワビ、鮮度がいい魚など、身が固く歯切れのよくない寿司だねを握りに合うようにするため、筋を断ち切るように細かい包丁を入れる技。食べ手に見えないように裏側など隠れた場所に入れるので“隠し”包丁と呼ばれる。

 

《飾り包丁》

握りが美しく見えるように、寿司だねの表側に包丁を入れること。赤貝の周りに包丁を入れ、握った時に花が咲いたように見せたり、イカやアジに格子状に包丁を入れて、煮切りを塗ると鹿の子模様が浮かぶようにしたりといった技がある。

 

《おぼろ》

白身魚やエビなどの身をすりつぶし、味つけした後、鍋で炒り煮にしたものの総称。江戸前寿司では芝エビのすり身に玉子の黄身を加え、丁寧に炒り上げた“海老おぼろ”がよく使われる。砂糖を入れた甘い味つけで、酢じめの魚の酸っぱさを緩和したり、淡白な魚に味のアクセントをつけるために用いることが多い。

 

《漬け込み》

素材を煮るのではなく調味液に漬け込むことで味を含ませる技法。

ハマグリやアサリなどに用いる。マグロの赤身を煮切り醤油に漬ける“づけ”もその一種。ハマグリの場合は茹で汁に醤油、砂糖、味醂を入れた調味液に丸1日以上漬けるのが一般的。

 

《煮もの》

ダシに醤油、砂糖、味醂、日本酒などを加えて調味した汁で煮ることで、味をつけた寿司だねのこと。煮アナゴと煮イカがその代表。

煮汁をさらに煮詰めて作る「煮ツメ」を塗って供することが多い。

店によって煮汁の味つけはもちろん、煮る時間も数分から数十分までと大きく異なり、それがそのまま店の個性となっている。

 

《昆布じめ》

ヒラメやスズキといった白身魚や、甘エビや白エビ、ホタルイカなど淡白な味の魚介に昆布の旨み(グルタミン酸など)をプラスするための技。食材を昆布で挟んで数時間から数日寝かせて味を移す。

乾燥した昆布には魚介の水分を吸う作用もあるため、水っぽい味を引き締めるためにも使われる。

 

《定置網漁》

その名の通り、海中の定まった場所に網を設置し、マグロ、カツオ、ブリなど同じ時期に同じ海域を通る習性を持つ“回遊魚”を誘い込んで行う、沿岸漁業の漁法のひとつ。

魚を待ち受けて捕獲するため、漁船で追いかける巻網漁などと比べて魚を傷つけにくく、また過剰に獲りすぎることもないので、環境に優しい漁法として注目されている。

 

《煮ツメ》

アナゴなどにつける甘ダレのこと。基本的にはアナゴの煮汁にアナゴの中骨から取ったダシを加え、砂糖(またはザラメ)と日本酒を入れ、とろ火で煮詰めて作るが、ごく一部にイカの煮汁を加えて煮詰めるという店もある。またハマグリ専用にハマグリの茹で汁で作った煮ツメのことを“ハマツメ”と呼ぶ。

江戸前寿司の老舗には、古い煮ツメに新しい煮ツメを注ぎ足しながら何十年も使い続けている所があり、こうした煮ツメは年代物として珍重される。

 

《酢じめ》

酢の持つ殺菌、臭い消しの効果を利用して、生魚の鮮度の低下を防ぎ、生臭みやクセを抑えるための技法。

いきなり酢につけると魚がふやけ、味がぼやけてしまうので、まず魚の表面に塩を振り、浸透圧で余分な水分を取り除いてから酢に浸す。浸す時間は数分から数十分で、長いほど保存性は増すが、酢の作用でタンバク質が固くなり食感が悪くなってしまうため、バランスが重要となる。

 

《光りもの》

コハダ、アジ、サバ、サヨリなど、皮が銀白色に光って見える魚のこと。背中が青みを帯びて見える“青魚”と混同されることが多いが、江戸前寿司ではキスやカスゴなど青魚の範疇には入らない魚も光りものと呼ぶ。

白身魚などと比べて鮮度が落ちるのが早い魚が多いため、古くから酢じめという技法で鮮度の低下を防いでいた。今もコハダやサバには酢じめを施すのが一般的。

 

《たて塩》

魚の塩締めに使う塩水のこと。江戸前寿司では魚体の小さい魚や身の薄い魚に、均一に塩を浸透させるために用いることが多い。海水魚に対しては海水より高い塩分濃度(5パーセント以上)のたて塩を使うのが一般的。

 

《おまかせ》

注文するメニューをお店の側に任せること。高級な寿司屋のほとんどで採用されているシステムで、席に着いて「おまかせで」と言えば、コース料理のように握りとおつまみが順番に出てくる(握りのみを提供する店もある)。客側がメニューの内容を変えることはできないが、苦手な食材を予め伝えておけば、それを出さないように配慮してくれる。

 

《煮切り》

握りに塗るために調味した醤油。「煮切り醤油」の略語。濃口醤油に日本酒、味醂、かつおだしなどを加え、鍋でひと煮立ちさせて作る。加熱して日本酒や味醂のアルコール分を飛ばすことを「煮切る」ということからこの名がある。江戸前寿司ではこれを小さなハケで握りに塗って出すのが伝統的なスタイル。

 

《シャリ》

すし飯のこと。その語源は仏舎利(お釈迦さまの遺骨)から来ているとも、米を洗う時にシャリシャリと音がするからとも言われ、定説はない。江戸前寿司では炊いた米に米酢、塩、砂糖を混ぜた“合わせ酢”で味をつけるのが一般的。ただしシャリに砂糖を入れるようになったのは戦後のことで、戦前までは米酢ではなく酒粕を原料にした赤酢を使い、塩のみで味つけをしていた。

近年は若手の鮨職人の間でこの赤酢のシャリが再評価され、使う店が増えている。赤酢には米酢にはない独特の旨みがあり、それが魚の味を引き立てると言われている。