『早川光 江戸前寿司の世界』⑳~卯月 第二貫~

~アサリ~

旨みたっぷりのアサリを小丼で

アサリは日本人にとって最も親しみのある貝。北海道から九州の有明海まで広く分布し、炊き込みご飯、味噌汁、佃煮と様々な料理に用いられています。

江戸前寿司ではアサリもハマグリと同じように、甘辛く味つけしたつゆに漬ける“漬け込み”にするのが一般的です。

ただし金井さんは、砂糖を使わず、アサリの蒸し汁を醤油と味醂だけで調味したつゆに漬けます。

「旬のアサリは蒸すとすごくいいダシが出るので、その味を殺さないように甘さを抑えました。つゆを含んだまま食べていただきたいから、うちでは握りではなく小丼の形で出しています」

小さな身につゆをたっぷり含んだアサリは、噛んだ瞬間にダシの旨みが口いっぱいに広がり、その美味しさに小丼をかきこむようにして食べてしまいます。