『早川光 江戸前寿司の世界』③~睦月 第三貫~

~サワラ~

 

魚へんに春と書くが、旨いのは1月

サワラは関東地方では馴染みが薄く、関西以西で愛されている魚です。特に岡山では人気が高く、全国で水揚げされたサワラの約3割が岡山県で消費されるのだとか。近年になってその魅力が全国的に知られるようになり、江戸前の寿司屋でも使う所が増えてきました。

佐竹さんも寿司だねとしてのサワラを高く評価しています。

「冬のサワラは身が柔らかいので寿司に合います。“鰆”という漢字は魚へんに春ですけど、サワラが本当に美味しいのは脂がのる冬だと思います。うちでは握りにする前に皮を軽く火で炙るんですが、こうすると身が膨らんでふわふわの食感になるんです」

火で炙ることで皮はパリパリになり、芳ばしい香りが食欲をそそります。食べれば、膨らんだ身が舌をふんわりと包み込むかのように感じます。