『早川光 江戸前寿司の世界』①~睦月 第一貫~

睦月 第一貫 ~ヒラメ~

 

青森の寒ビラメは1月がベスト

ヒラメは江戸前寿司を代表する白身魚。北海道から九州まで幅広く生息し、養殖も盛んに行われているので、市場には一年中流通していますが、最も美味とされるのは冬の天然物。とりわけ1〜2月の厳冬の時期に獲れる「寒ビラメ」の美味しさには定評があります。

『すし佐竹』の親方、佐竹大さんが選んだのも、青森の極寒の海で獲れた寒ビラメです。

「青森の寒ビラメは旨い。特に1月がベスト。てっぺんだと思います。ただ脂がのっているというだけじゃなくて、脂の質が高い。しかも身に厚みがあるので、握りにした時にシャリとのバランスがよく、美しく仕上がるんです」

握りを食べると、ヒラメの脂がゆっくりと融け、上品な甘みが舌に伝わります。噛めば柔らかさの中にしなやかな弾力があり、噛みしめるほどに甘みが深い旨みへと変わっていきます。